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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页

青空文庫

生産だ!

獣人どもも痩せていた。

しかしそれにもかかわらず、みんな恐ろしく元気であった。

とは云えそのように元気になったのは、きわめて最近のことであって、ついこの頃まで獣人達は、変に意気地なくグズであった。

彼らは自分達の境遇を「運命」であると諦めていた。もちろんそれは麗人達が、そう仕向けていたからであった。

実際彼ら麗人達は、立派な風采、素晴らしい知識、磨き上げた芸術というようなもので、長い間獣人の連中を、グッと抑え付けていたのであって、あんまりそれが長かったため、獣人どもはそれに慣らされ、それが当然な状態であると、心の底から思うようになった。

「俺達は働く人間で、あの人達は遊ぶ人間と、ちゃあんと大昔から神様によって運命づけられているんだよ。そうならそれで仕方がないさ。諦めたり諦めたり。第一とても俺達には、麗人のように立派には成れねえ。あの境地には手が届かねえ」

こんなように思っていた。

そこへ突然現われたのが、他ならぬ荒玉梟帥であった。

「いやいやそんな筈はねえ。運命なんてありゃあしねえ。生産だ! 生産だ! こいつが人間を差別するだけだ!」

そうして彼はその理由を、非常に細かく説明した。