轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页

青空文庫

現われいでたる

……ふうむ、それではその晩は、凄じい暴風雨であったのじゃな?」

「はい暴風雨でござりました。ただし私に取りましては何んでもなかったのでござります。それで私はその晩も宵の中より家を出で、いつも行き慣れた硫黄ヶ滝の杉林の奥へ分け入りまして、右衛門殿より伝授されました八双払い神妙剣の小太刀の練磨を致しおりましたところ、初夜を過ごしたと思わるる頃、雉子ヶ洞の方角より大勢の者の叫び喚く声が幽かに聞こえて参りました。この時雨は全く止み、片割れ月が蒼々と空に懸かっておりましたなれど、名に負う魔所の硫黄ヶ滝へ、かかる深夜に何者なれば集まりおるぞと不思議に思い、足音を忍ばせ近寄り行き木蔭より窺い見ましたところ……」

「忠義者の右衛門が、紋十郎の配下の者に縛められておったのじゃな?」

「はいさようにござります。己憎いは紋十郎、躍り出でただ一打ちとしきりに心は焦心ちましたなれど、向こうは大勢私は一人、迂濶に出ては危いと存じしばらく様子を窺いおりましたところ、ぷんと煙硝口火の匂いが風に送られて参りましたのでハッと驚き目を鋭めじっと向こうを眺めましたところ、あろうことかあるまいことか、右衛門殿の佇みいる大岩の裾に地雷火を伏せ、それへ繋いだ導火線へ点火したではござりませぬか。