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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页

青空文庫

二八余りの美少年

「これはこれは五右衛門殿、拙者を見忘れはなさるまいがの?」

「これはこれは右門殿か、女来也殿もご一緒か。逢ったはタッタ昨夜のこと」連れの侍を振り返り、

「権六どうじゃ、偉い所で、偉い人達に邂逅ったな」

すると権六は頬をふくらせ、山尾の顔をジロジロ見たが、恐ろしそうに横を向いた。

二八余りの美少年

主人の若衆は一座の様子を面白そうに見ていたが、この時カラカラと笑い出した。

「どうやら訳のあるらしい一座の様子でござりますな」ちょっと真面目の顔をして、「しかしここは拙者の館。恩讐ある者の集まりにもせよ、今宵ばかりは闘争刃傷一切無用に致されよ」

一同は軽く頷いたが、

「その儀は承知しておりまする」と常陸介が代わって挨拶をした。

「ここに一言ご主人にお尋ねいたしたいことがござります」

こう云ったのは右門である。

「それは何事でござるかな?」

「他のことでもござりませぬが、ご主人のご様子を見申したところ、いまだご若年の前髪立ち、それにも似合わず万事につけて、寸分隙のないお振る舞い、誠にお慕わしく存じまするがそもそもいかなるご身分のお方か、是非お伺い致したく、右門お願い申し上げまする」