轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页

青空文庫

修験者はノシノシ歩き出した。

しばらく行くと眼の前に岩窟の口があらわれた。すかして見ると窟内で焚火がトロトロと燃えている。

「いざ、客人はいられい」

修験者は真面目にこう云って自分から先へはいって行った。そして焚火を前にして牀机に腰をまずかけた。焚火の前には彼より先に熊の胴服を寛々と着て小手脛当で身を鎧った、頬髯の黒い、総髪の一人の荒武者が腰かけていたが、数馬、武兵衛の姿を見ると審かしそうな顔付きをして物問いたげに修験者の方へ鷲のような眼をツト走らせた。

「心配はいらぬ。客人じゃ。雪の山道に迷われた仁じゃ」

すると胴服の荒武者は、武兵衛へその眼を注いだが、

「この寒中の深山を、裸体一貫で寒気もなく歩き廻わるとは驚いた奴だな。ちゃっと焚火に当たるがよいわ」

武兵衛と数馬は一礼して焚火に向かって座を占めた。

と、四人ともしばし無言で、互いに相手を見合っていた。

修験者はやがておもむろに二人の者へ話しかけた。

「まず若衆からお訊きしよう――そなたいずれの産まれじゃな?」

隠しても駄目だと思ったので、数馬は正直に返答した。

「某は信州上田在、船巻村の郷士でござる」