轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页
――ところで、人丸左陣殿、浮雲いところでござったの。貴殿がじっと見ておられた、あの鬱蒼たる楠の木は、誠は木ではござりませぬ。つまりこの山の木の精で、半人半妖の怪物でござる。折よく拙者来合わせて、貴殿をお呼びしたればこそ、このように生命があるものの、迂濶にさわりでもなされたなら、身体痲痺れ血凍り彼奴の餌食となるところでござった」
その侍はこう云うと笑止らしくニタリと笑ったが、どことなく態度が尊大で威嚇するようなところがある。それが左陣には不快であったが、それより何よりこの自分を人丸左陣だと星を差したことが不思議に思われてならなかった。
「……失礼ながらご貴殿にはいかなるご身分でござりまするかな? 拙者いかにもお名差しの通り人丸左陣にござりまするが、どうしてそれをご存知か、不思議なことでござりまするのう」
左陣は怪しんでこう尋ねた。
「某の身分をお尋ねかな? お明し致そう、他でもない、貴殿と同じ身分でござるよ」
寛々として云い放す。
これには左陣も驚いた。自分と同じ身分と云えば盗賊に他ならぬからである。彼はちょっとの間黙り込んだが、
「しからばお名前は何んと仰せられるな?」