轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页
双玉の原の二人の巫女
こう云ったのは水藻であった。
「迷児になったのではないでしょうか?」
こう云ったのは水泡であった。
「さあ、そうなら大変ですね。この土地で迷児になろうものなら、岩石人に捕えられるか、獣人どもに連れて行かれるか、気障で好色の麗人達に、辱しめられるかの三つですからね」
「いいえそれにもう一つ、猛い獣に食われますよ」
「どっちみち安穏ではありませんね」
二人は憂鬱に黙ってしまった。
と、水藻が立ち上がった。
「さあそろそろ出かけましょう」
「腐木の谷へでございますの」
「ええ、もう一度頼んで見ましょう」
「あの無慈悲な岩石人達、とても返してはくれますまいが、うっちゃって置くことは出来ませんわね」
「二つの玉がなかろうものなら、妾達生きてはいられません」
「第一ご先祖に済みませんわね」
「そうしてあの玉があればこそ、女の身空でも妾達は安穏でいることが出来ますけれど、いよいよあの玉が手に入らないとすれば、双玉の原の神聖は、すぐにも穢されてしまいます。そうして妾達はどの敵かに、殺されてしまうでございましょうよ」
「そうなったら双玉湖も、濁されてしまうでございましょうよ」
「神社も焼かれてしまいましょう」