轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页
奥と云ってもただそこには、床一杯に獣の皮が敷き詰められてあるばかりで他にはなんの飾りもなく、いかにも急促に拵えた陣営らしい構えである。
待つほどもなく、正面の、襖がサッと左右へ開らき、二、三の武士を従えた御嶽冠者が現われた。
錦の直垂に緋縅の鎧、明眸皓歯の大若衆、眼も覚めるばかり美しい中に勇気と気高さとを兼ね備えた、天晴れ勝れた大将振りに、一同はハッと頭を下げた。
「大日武者之助、よく帰った。して珍らしい獲物でもあるかな?」
「たいした獲物もござりませぬが、篠井の畔、千曲川の岸で女子を一人捕えましてござる」
「してその女子はどこにいるぞ?」
「これなる輿の中におりまする」
「女子を輿から出して見せい」
「ハッ」と武者之助は立ち上がり輿から女子を引き出した。口には猿轡を噛ませられ両手は背中で縛られている。
「猿轡と縄を解くがよい」御嶽冠者は下知をした。
すぐに女子は猿轡と結めの縄とを解きすてられた。御嶽冠者はつくづくと女子の様子を見守ったが、武者之助の方へ眼をやって、
「してこの女子を捕らえた訳は?」
「訳と申すはその女子は、木曽家にあっても名の高い洞院左膳の実の娘の山吹と申す女子とのことゆえ……」