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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页
城の構造
芳江の顔は紅を潮し、堅い決心を示している。
「どりゃもう一度城の要害を、見て廻わることに致そうかの」
オースチン師は立ち上がり、スタスタと廊下の方へ歩いて行った。
そして二刻も経った頃、嬉しそうな顔をして帰って来たが、部屋に備えてある筆墨を使って、紙の上へ何か書き出した。
城の構造
「ご覧なされい城の構造を……ざっとこんな塩梅じゃ」
こう云って老師は紙片を出したが、それには次のような城の図面が、平面式に描かれてあった。
老師の描いた絵図面なのである。――
城の絵図面の図
(イ)白虎城砦
(ロ)旅人蔵
(ハ)青龍城砦
(ニ)玄武城砦
(ホ)朱雀城砦
(ヘ)本丸城砦
(ト)オースチン師他二名が監禁されている四階の鳳凰の間
「ところで何故にこの縄張りを『四四本丸』と云うかというに四層の楼に造られたきわめて堅固の城砦が城の四方に出来ていて、中央に本丸があるからじゃ。そしてこの城の特色は総てが円形ということと、どこにも木戸がないということと、城を巡っている広い濠が烈しい凸凹を呈しているということ、すなわち、大略この三つじゃが、もう一つ重大のことがござる。それは四つの城砦にもまた中央の本丸にも、出口入口がないということじゃ。