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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页
そうして其奴に案内させ、二人の居所を探すのが何よりの近道というものじゃ」――オースチン師はこう云ってどこか自信のありそうにその白髯を撫したのである。
「何よりの良計とは存じまするが、どうして敵の侍を味方に付けることが出来ましょうか?」
「さよう、それが困難じゃの。ただし愚僧に一策がござる。それは奇道を用うることじゃ」――こう云うとオースチン師は立ち上がり、隣りの室へ行ったかと思うと色々の機械を取り出して来た。
「これが奇道の守り本尊じゃ。どれ組み立てるとしようかの」
管や板や箱や布片を手際よくいちいち取り上げては、あるいは捻りあるいは延ばしパチパチパチパチと音を立てて一つ一つ組み立てて行く中、不思議な箱が成り立った。長方形の一方に木管が一本飛び出していてピカピカ光る物が篏めてある。「これはガラスというものじゃ。これを作るには苦心した。石英がこの辺には少いからの、それでも私はこのガラスをここの工場で作ったのじゃ。私は大砲を作ると云っては他の物ばかりを造ったのじゃ。敵を欺き恐れしめる小さな色々の武器のようなものをな」
老師は不意に数馬を見た。「ところで時刻は何時であろうの?」