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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页
遊女折檻
「右の端の女は桔梗だな、よしよし桔梗から成敗しよう!」云ったかと思うと、弓の折れがヒラリと虚空に閃いたが忽ち風を切る音がしてしたたか鞭は右の端の桔梗という女の肩を打った。ヒーッと女は身悶えする。
「痛いか、痛いか、おお痛いか! 鞭で打たれりゃ痛い筈じゃ! 痛いとも痛いともおお痛いとも!」
遊女折檻
長者はまたも鞭を上げて桔梗の頸の辺を打ち据えた。
「自分の縹緻が醜くて、それでお客が取れなかったら、取れるようにして取るがよい! 取る方法はいくらもある。あるともあるとも、いくらでもある。知らぬというのなら教えてもやろう。教えてやることはやるけれど、俺の教え方はちと荒いぞ!」
長者の鞭は用捨もなく桔梗の白い柔かい肌を所嫌わず打ちすえた。伏し悶えながら泣き叫ぶ桔梗の声は広い館の隅々まで悲しそうに鳴り渡っても、助けようとする者はないのであった。
「よしよし桔梗はこれだけとして、さてその次は誰袖の番じゃ」
長者は荒々しくこう云いながら二番目の女を曳き出させた。
「これ誰袖よく聞けよ。そちの身分は遊女じゃぞ。この長者様に買い取られた憐れな遊女の身でありながら、いかに務めが苦しいと云って、ここの館を抜け出そうとは、憎んでも余りある女じゃぞ! そちは館に五年もおって新参者というではなし、逃げかけて捕まった遊女どもがどういう処刑にさ