轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页
と馬の啼き声もする。
忽ち森の四方から何者か踊りながら走り出た。
それは無数の男女であった。そうしてそれは人間らしい。しかし普通の人間ではない。人間というには余りに奇異だ。……そうだ彼らは人間ではない! 彼らは谷の妖精どもなのだ! 一人の女は鳥の精と見え臍から下は羽根で蔽われ指に蹴爪が生えている。一人の男は猿の精でもあろう二本の脚はそっくり獣で、毛が房々と延びている。天狗のような顔をした、白髪短身の老人はどうやら芒の精らしい。藍のような青い顔に褐色の肌をした大男はあるいは巌の変化かも知れない。象牙のような滑らかな肌に腰から下は緑の水藻でさも美しく装われているのは云うまでもなく水の精である。
木々の精、草々の精、あるいは霧の精、苔の精――生命あるものは云うまでもなく、生命なき非情の無機物さえ永く自然の恵みを受ければ生命を発して活動する。……これは今日の科学からも――生物学からも証明出来る――今やそれらの妖精どもが、この深山の谷底で踊り廻わっているとしても、まんざら不自然とも云われまい。
「木を廻わって」
と誰かが云った。忽ち楠の木を取り巻いて一斉に彼らは踊り出した。