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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页
其奴いったい何者じゃ※(感嘆符疑問符、1-8-78)」
鬼王丸は牛の吼えるような凄じい声で怒鳴り出した。
妖精どもはこの権幕に一たまりもなく縮み上がったが、
「はい申します申します。――久しい以前から瑠璃ヶ岳の千疋洞の窟の中に、年を取った人間と狼を連れた若者とが、住居するようになりました」
「なるほど」
と鬼王丸は後を促す。「其奴全体何者じゃな?」
「はい、妖術師でござります」
「ほほう、人間の妖術師か?」
「はいさようでござります」
「どんな妖術を使うのじゃ?」
「まず飛行致します」
「飛行? なんだそんな事か。そんな事なら俺でもやる」
「次に咒縛致します」
「詰まらない真似をやりおるな?」
「そして不死身でござります」
「まるで俺とそっくりではないか。ふん、それからどんなことをするな?」
「諸※(二の字点、1-2-22)の化身を本身に返し、総ての変化を退治致すそうで」
「ふうん」
と云った鬼王丸、これにはどうやら困ったらしい。
「何んという名の妖術師じゃな?」
「一人は才蔵と申します。若者の方でござります。山谷の霧を自在に使い隠見出没致しますため霧隠という綽名がございますそうで」