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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页

青空文庫

と、話の主人公右京次郎が現われた。

「さて皆さん、お聞きください」

彼は突然云い出した。

人足どもはバラバラと彼の周囲へ集まって行った。

「さて皆さん、不幸にして、我々が最初に企てた、第一回の冒険は、とうとう失敗に終りました。しかし我々は生きています。そうして体も健康です。ですから我々はこれにめげず、第二回目の冒険を、試みなければなりません」

「賛成賛成!」と云う者がある。

「どうぞよろしく願います」と、こう叫ぶ者もあった。

「さて、つくづく考えて見ますと、第一回の冒険のその失敗の原因は、第一人数が少なかったこと、第二に準備の不足であったことに、帰納されるように思われます。そこで……」

と、角太郎の右京次郎は声を一段張り上げたが、

「そこで我々はこの点に鑑み、第二回目の冒険においては、何より人数を多く集め、一層準備を完全にしたいとこのように思うのでございます……」

「ごもっとも」と云う者がある。

「どうして多人数を集めます?」こう訊ねる者もあった。

すると右京次郎は自信あり気に、

「さよう、多人数を集めるのは困難の仕事でありまして、どうして集めるかと訊ねられては多少お答えに苦しみますが、しかし私にはただ一つ、よい方法があるのでございます」