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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页
……だがオイお六坊薄情だぜ、お前と俺らは従兄妹だが、ただそれだけの仲じゃあねえ、そうとも俺達あ許婚なんだからな。十二月にゃあ式をあげて夫婦になることになっているんだからな。それだのにお前はこんな大事件を、俺らに相談してくれねえんだもの。怨むぜ怨むぜ、ええお六坊。だがマアそれも仕方がねえ、敵でも討とうとする者は、それくらいに口が堅くなけりゃあ、しとげることはむずかしいからな。……だがオイほんとにこれからは、互いに仲よく相談して、敵を討つなら討つことにしようぜ。俺らも繋がる縁だからな。そうさ、俺には伯父の敵だ。そうじゃねえ舅の敵だ。……おや、お前どうしたんだ? ちっとも返辞をしてくれねえな。ははあなるほど疲労れたんだな。イヤもっともだ、疲労れる筈だ。いずれ踊りも踊ったろうし、敵の隙だって狙ったんだろうからな、物を云うのがイヤだったら、五年でも三年でも黙っていねえ。俺ら何んとも思やしねえ。……オヤもうここは上松だ。さあさあここが俺の家だ。はいって少し休むがいい。俺ら先にはいるからな」
かなりみすぼらしい百姓家の夜の闇の中に立っていたが、門口をあけると勘介がピョイと中へ飛び込んだ。