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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页
まことに玄々不思議のその倶係震卦教とやらを、お伝えくださるお覚し召しならば、妾にとりましては虎に翼、有難き仕合わせに存じます」
「おお、そういう身の上なら、いよいよもって好都合、これも運命のしからしむるところか、天朝の起こる機運であろう! 鳰鳥とやら形を正せ!」
「はっ」
というと鳰鳥は、ピッタリ膝に手を置いた。
全山暗く夜は深々、何んとなく仙気の漂うところ、一個の老翁と一個の手弱女、チラチラと燃える焚火の光に、象形文字の書を照らし、魔法か妖術か奇々怪々の秘法の伝授が行われようとする。
枯葉が二、三枚
「震卦教は奇道である。しかしながら邪道ではない。悪鬼悪霊の所産ではなく智者賢人の発明である。しかも架空の造語ではなく、科学に立脚した学問である」
仙人の声は朗々として、いかにも気高く聞きなされた。しかし彼の説くところはいわゆる幽幻神秘なる境地で説明を許さないものであった。ただわずかに項目を挙げれば、上智部においては「遠猷」を説き、明智部においては「剖疑」を説き、察智部においては「得情」を説き、胆智部においては「威克」を説き、術智部においては「委蛇」「謬数」