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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页

青空文庫

読心術方面に至っては、察心術、読想術、観心術を詳述し、骨相術にはいっては、人相、手相、面相、爪相、足相にまで突き入った。

仏に入り仏を出で、道教に入り道教を出で、日本古来の神道にも入った。

今日の言葉で云ったなら「潜在意識」の説明でもあれば「性格変換」の講義でもあった。そうして「変態心理学」でもあった。

そうしてそれらの修行法なのであった。

また近代の兵法でもあり、また実に化学でもあった。

おお今日の化学が、戦国時代に行われたとしたら、何んと魔術ではあるまいか!

倶係震卦教の講釈はこうして先へ進んで行った。

説く人も説かれる人も、今はほとんど夢中であった。

そうして万籟は静まり返り、木食仙人の声ばかりが、谷に山に木精した。

まさに荘厳な光景であった。

夜が明けて朝となり、朝日が山巓に射し出した時、倶係震卦教は説明を終った。

鳰鳥は心身疲労れ切っていた。汗が全身に滲み通っていた。しかし精神はさわやかであった。肉身さながら仙となり、羽化登仙する思いがあった。

その時、木食仙人が云った。

「説くべきことは皆説いた。教えべきことは皆教えた。倶係震卦教全巻の秘密は、これ闡明された。