轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页
御嶽冠者
何故と申すに彼の髑髏盃は、数十年以前に異国からこの日本に渡り来った邪教の司僧の髑髏でござって、その盃に酒を注ぎ、血気に任せて我が君が、お用い遊ばしたその日から、木曽一帯に疫病が流行り、天変地妖相次いで、人々困難したため、我ら二、三の重役どもが、表面には件の盃を御嶽山の頂きに埋めたと云いふらし、実は窃かに宝蔵へ蔵い、盃を納めた唐櫃へは、八百万の神々を勧請して堅く封印を施したため、誰一人近づく事さえ出来ず、無事に今日まで参ったのでござる。我々二、三を除くの外は、館の侍も腰元もその盃の有所を存じておるものはござりませぬ……いかがでござるな鳰鳥殿! そもそもあなたは何人から、それをお聞きになられましたな?」
甚五衛門は膝を進め、きっと鳰鳥を睨みつけた。
鳰鳥の顔は蒼褪めた。そうして座にも堪えぬと見えて、黙ってスッと立ち上がった。
忠臣花村甚五衛門は、その裾を早くも抑えたのである。
御嶽冠者
「卑怯でござるぞ鳰鳥殿! どこへお逃げなされます!」
甚五衛門は荒々しくこう鳰鳥を引き止めた。
「私はどこへも逃げはせぬ。酒宴の席にも倦いたので、自分の部屋へ帰るまでじゃ」