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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页

青空文庫

灯火が無数にともし出され、酒肴が目茶目茶に運び出された。

飲む者食う者歌う者、……笑い声と歓語と話し声とが、小屋を充たしたのは云うまでもない。

数人の男が武器を持って、彼らの踊りをおどり出した。

時が進むに従って、酒宴はいよいよ盛んになった。

しかるにここに不思議なことが、二つばかり行われた。

美麻奈姫が次第に驚きと恐れを、その顔から引っ込ませ、喜びと楽しみと好奇心とを代わりに現わしたことであり、梟帥がいつもの不作法と、そうして傍若無人とを、姫に対して行わなかった。――と云うそういうことである。

麗人国の姫と産まれた、美麻奈のような乙女には、獣人国のこういったような、がさつの中に真実があり、下等の中に善意のある、こういったような生活が、興味があるものと思われる。

獣人国の住民として産まれた、梟帥のような男にとっては、美麻奈姫は優れた芸術品のようなもので、荒々しく扱うには適していず、つい行動を穏和にし、つつましくしなければならなかった。

これがこのまま進んで行ったならば、この二人は苦しむことなく、否々むしろ幸福をもって夫婦になってしまうことであろう。