轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

「東京日日新聞」1933(昭和8)年11月7日~1934(昭和9)年4月20日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 191,184 字 · 379 页

青空文庫

とよ。……それじゃア、俺ら町人なんかは、どんな女郎買っていいんだい。……こういうお触れ書きを出した奴や、蔵前の札差しなんて奴は、銀で本田髷を巻き立ててよ、吉原の大籬の花魁を買ってよ。一晩に百金を使ってるんだ。いったいこれでいいんだろうかなア」

「いけねえ!」と群衆は喚き出した。

「いけねえともよ、じゃアやらかせ!」

「ワーッ」と群衆は押し出して行った。

町々はうちこわしの群衆と、それを見物の群衆とで、ごった返し沸き立っていた。

そういう群衆にまじりながら、覆面をした二人の武士が、話しながら歩いていた。

松平冬次郎と戸ヶ崎熊太郎とであった。

「農村へ行けば百姓一揆、都会へ来ればうちこわし、これではいかな田沼意次も、執政としての責任上、老中を引くことでござりましょうな」

「さようさ」と冬次郎は考え深くいった。

「信濃の旅から帰って以来、彼田沼どうしたものか、心がとみに変わったということじゃ。気が弱くなったということじゃ。――そうかと思うと一方においては、病弱ほとんど死に瀕しておられる、将軍様後継者に関する件につき、死に物狂いに策動し、自分の自由になるお方を立て、ふたたび権勢を盛り返そうと、苦心しているとの噂もある。