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ちけむりてんめいじん

血煙天明陣

国枝 史郎

「東京日日新聞」1933(昭和8)年11月7日~1934(昭和9)年4月20日

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 191,184 字 · 379 页

青空文庫

四

語るから聞きな、まずこうだ。……」

四

「※(歌記号、1-3-28)世間が詰まれば、真鍮ぎせるが、銀になるやら、桟留袴は、丹後になりやす。娘子供は、芸者になるやら、鍋釜銭でも、四文に通用、本町通りにちらほら明店、赤絵が世に出て、めくりになるやら、四貫の相場が、五貫になるやら、六位の武家衆が、侍従になるやら、三汁五菜が湯漬けになるやら、町人百姓が、乞食になるやら、うるさいことだに、ホー」

外伝は愉快そうにこううたって来たが、

「みじめの手合いはどこまでもみじめ、運のいい奴アどこまでも好運、こういう浮世は無理があるってものだ! お政治向きが悪いからよ! ――町人百姓が乞食におちぶれ、六位の侍が侍従に出世! これじゃアおれ達ア浮かばれねえ! やろうぜオイ! たたっこわそうぜ! 運のいい贅沢の野郎をよ!」

「やれ!」「うちこわせ!」「ワーッ、ワーッ」

と、群衆は大通りへなだれ出た。

そうかと思うと茅場町の角では、新助がこういって煽っていた。

「こういうお触れ書きが出たんだとよ、『布衣以下は、格別の訳合有之節は、根津、音羽等へも相越し、平日は蹴転(最下等の女郎)し、または百蔵(同様)相用いらるべく候』