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くいどうらく

食道楽

村井 弦斎

冬の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 170,664 字 · 341 页

青空文庫

第三百四十九 料理入費

モー一つ古人に対して愧ずべき事があります。我邦でも以前は客に料理屋の物を出すと、今日は家内不手廻りで拠ろなく他へ料理を申付けました。お気味がお悪うございましょうけれどもと断ったものです。しかるに今は手料理でございますからお口に合いますまいと断る。まるで反対です。味が悪くも手料理ほど客に対しての心尽しはありますまい。将来は誰でも食物問題を研究して手料理を客に出すような習慣に致したいものです」となお頻に食物研究の人生に必要ある事を説けり。

第三百四十九 料理入費

広海子爵は食物研究の必要を説きたる後「そこで今日の料理について一言を申上げなければなりません。今日の会費は二円と定めてありますがその二円を尽く料理の材料に向けて其処にある通りのメニュー即ち献立表を作りました。第一がマルボントースといって牛の髄の料理、第二が仏蘭西豆のスープ、第三が比目のパンデポーソンといって蒲鉾のようなもの、第四がポーレーシューカナペールと申して鳥の肉の料理、第五がヒレビーフゴーダンといって牛肉のロース、第六がアスペーキゼリーといって鳥の寄物、第七がポンチシャンパンと申して酒を固めたもの、第八がアスペラガスのクリームソース、第九が七面鳥のロース、第十がサラダロアイヤル、第十一がカビネットプデン、第十二がアイスクリーム、と外にお菓子がレデーケーキ