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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
冬の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 170,664 字 · 341 页
第二百八十五 柿料理
火加減は強からぬがよし。火が強過ぎて湯が沸騰するとプデンに鬆が立ち味悪し。ブリキ型のなき時は茶筒の蓋へ入れ上から布巾をかけて湯煮てもよし。このプデンにはカスターソースあるいはスポンジソースをかけて食すべし。
○前文よりも一層上等なる栗のボイルドプデンは玉子の黄身三つに砂糖大匙三杯とバター大匙一杯とを煉り混ぜメリケン粉大匙六杯と焼粉を小匙一杯加え湯煮たる栗を小さく砕きて一斤ほど入れて牛乳を大匙二杯ほど注し、三つの白身を泡立てて加え、香料のワニラなど混ぜてブリキ型へ入れるなり。これも前文の通りに湯煮てソースをかける。
第二百八十五 柿料理
小山の妻君は良人の帰宅が遅き故に大原の一件が如何に成行きつらんと心配して来りしなり。お登和嬢に逢いて様子を問えば三人同道にて広海家へ赴きしとの事、それならばもはや案じるに及ばず、洋行の相談全く整いて大原ぬしは情実婚礼を遁れ給わんと小山の妻君もお登和嬢のために前途を悦び「それでは皆さんも御相談が長くおなりでしょうから急にはお帰りがありますまい」お登和嬢「イイエ晩までにはお帰りになります。たとい遅くなっても晩の御飯を召上らずに帰っていらっしゃるお約束ですから只今御馳走の支度を致しております」