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くいどうらく
食道楽
村井 弦斎
冬の巻
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 170,664 字 · 341 页
第三百二十八 門前の人
親があったら我子の四十歳になるまでは充分の家庭教育を施して社会の大人に仕上げて遣らなければ親の役目が済まんでないか」と相も変らず奇矯なる一家言。
第三百二十八 門前の人
主人の言葉奇なりといえども深く人生の事を味いなば争い難き事実の存するあらん。客の小山好き口実を得たりと思い「中川君、四十歳までの家庭教育を取調べるとなったら大原君が十人あってもまだ足らんよ。ここにおいてお登和さんの洋行がいよいよ必要なる事を悟るね」中川「アハハそれは随分お登和を洋行させて食物問題や家庭問題を調べたら多少の獲る所があるかもしれない。しかし今急に何とも極められんね」小山「ナニも急ぐ事はない。来年になっても構わんからその方針にしておき給え」中川「だがね、大原君の洋行した後にお登和が西洋へ行くとなったらお代さんの方からどんな苦情が出て大原君が迷惑するかもしれん。大原君の事がなくってお登和を洋行させるなら僕も望む所だけれども。ネー大原君、君は定めし迷惑するだろう」大原「そうさ、僕は迷惑しないとも限らんがしかし僕の事があるためお登和さんの洋行を妨げるのもお気の毒だね。僕は別に関係せんよ」