轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

みやもとむさし

宮本武蔵

吉川 英治

04 火の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 185,809 字 · 369 页

青空文庫

「あっ、あの婆が、ここへも参りましたか」

「わしは、あの隠居から、すべてを聞いておる。血縁の者でなければ、ひッ縛って、婆の手へわたしてくれるのじゃが、それもなるまい。……わしら夫婦にまで、迷惑をかけぬよう、すこし足でも休めたら、こよいのうちに、立ったがよい」

心外である。この叔父叔母は、お杉の認識をそのままうけて自分を見ているのだ。武蔵は、いい知れない淋しさと、生来の口重い気質に暗くなって、ただうつ向いていた。

さすがに気の毒になったとみえ、叔母は、あちらの部屋へ行ってすこし休めという。それが最大な好意らしくあった。武蔵は黙ってそこを立ち、一間へ入ると、数日来のつかれもあるし、また、夜が明けてあしたの元日には――五条大橋の誓いもあるので、すぐごろりと横になって、刀を抱いた。――いや飽くまでこの世は自分の身ひとつと思う孤独を抱きしめている姿だった。

三

世辞もなく、わざと辛く、ずけずけとものをいうのも、血縁の叔母なればこそ叔父なればこそ――そう考えられぬこともない。

一時は、憤っとして、門に唾して去ろうとまで思ったが、武蔵は、そう解釈して、寝ころんでいた。