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つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页

青空文庫

老師がそこへ飛び込んだので数馬も続いて飛び込んだ。とまた扉がギーと鳴って出入口を閉いだのである。

二人は四方を見廻わした。そこは小さな室らしい。そうして螺旋の階段がある。二人は降り口へ走って行き螺旋階段を下へ下りた。下り切った所に小室があり、灯火がぼんやり点いていた。またさらに下へ下って行くその降り口が見えている。でまた二人はその降り口からさらに下の方へ下りて行った。

幾度かこれを繰り返し最後の小室へ来た時に、そこに厳重の戸があって二人の行手を遮った。

しかし老師は驚かなかった。

「この戸を開けると廊下に出る。三重の城砦の二重目の廊下がつまりこの戸の彼方にあるのじゃ。そこには番兵が立っていて、厳重に廊下を守っているのじゃ。だから迂濶には出られない。そこでまた例の芸当じゃ」

こう云いながら扉の面を両手で静かに探ったが、取手を発見るとそろそろと開け、わずかに開いたその隙から、機械の口を差し出すと、廊下の向こうの壁の面へ物凄い怪人を映し出した。そうして枝笛を吹き鳴らした。

結果は以前と同じであった。

悲鳴。足音。幽霊! と叫ぶ声。

みんなどこかへ逃げてしまった。