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つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页
白虎太郎を案内として、すこしも早く本丸へ乗り込み、いかなる手段を尽くしても暁の鐘の鳴る前に、姫を奪おうではござらぬか」
老師は沈痛に発議した。
数馬が何んで反対しよう。催眠術にかけて尚昏々と眠っている白虎太郎を先頭に立て、そこに高く懸けられている螺旋階段の上の方へ、三人はグングン上り出した。
やがて一つの室へ出たが、数馬の早速の早業で番兵三人に当身をくれ、気絶する処を縛り上げたので、無事にその室を通過ることが出来た。と、また高い階段となる。それを伝って三人は尚上の方へ登って行く。こうして階段を上がりきったところに長い廊下が通っていたが、折よくそこには番兵はいず見咎められることもなかったので老師と数馬とはホッとした。
飾り立てられた廊下の様子で、ここが本丸だということは自然にも解って来たが、鬼王丸の在所はどこか、芳江姫はどこにいるのか、婚礼はどの室で挙げられるのかほとんど見当がつかなかった。
途方に暮れて立っていると、廊下の外れの遥か彼方の一つの室の戸が開いて、美々しく着飾った人の群が一列をなして現われ出で、静々と此方へ練って来る。
「これはいけないこっちへやって来る」