轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
つたかずらきそのかけはし
蔦葛木曽棧
国枝 史郎
「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页
お銀も笑って口を蔽うた。さすが京都で育っただけに、肌の白さ美しさ、眼鼻立ちから姿から何んとも云えずたけて見え、こんな山家へ持って来れば、正に掃き溜めに鶴である。
「いえ私などは旅の商人、このような大家のお嬢様と、そんな噂が立とうものなら願ってもない身の名聞、有難いくらいでございますよ」
「まあ何をおっしゃるやら、さすがお国の諸所方々を胯にかけお歩きなさるだけ、お口もお上手でございますこと」
「どう致しまして私など、世辞も上手もない人間、正直者でございますよ」
二人はちょっとの間黙っていた。
秋陽が赤々と木立に射し渡り鳥が鳴いている。木々の葉は悉く色染まり黄もあれば紅もあり、黒姫山は眉を圧してすぐ眼前に聳えている。
「ああもうじき冬が来る」
ふと、お銀は独言のように、こう云って胸を掻き合わせた。
「ほんに冬が参りますね。ここらの冬は寂しいでしょう」絹商人も独言のように云う。
「さぞ寂しいでございましょう。……石黒、大沢、上野、古田、黒姫山を取り巻いて幾個か宿はございますけれど、みんな寂しい宿ばかり、雪が六尺も積もるそうで、恐ろしい所でございます」
「そうしてあなたはずっと永くここにおいででございますか?」