轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

つたかずらきそのかけはし

蔦葛木曽棧

国枝 史郎

「講談雑誌」博文館、1922(大正11)年9月~1926(大正15)年5月<br>よき夫婦、復讐とげられる、右京次郎団、兄妹邂逅大団円「現代大衆文学全集 第六巻 国枝史郎集」平凡社、1930(昭和5)年7月

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 335,908 字 · 669 页

青空文庫

寒気は文字通り凛冽である。

送るものと送られるもの、――大勢の軍兵に囲繞された左陣とお銀の一団は、こうして高原を東へ東へと半刻余り進んで行った。

その時、行手の闇の中へ一点の焔が現われた。続いて二点、三点、やがて続々と現われたが、見る見る中に雪の高原は焔の海と一変した。

一陣、二陣、三の陣と、次第次第に人数を増し、最後の四陣は旗本でもあろうか、整斉として屯ろした様子はまことに堂々たる兵法と云うべく、到底山賊野武士などの陣備えとは思われない。完全に左陣とお銀とは四方を包囲されたのであった。

ドンドンと前面の本陣から太鼓の音が響き渡った。それを合図に数十人の武者が一人の騎馬武者を真丸に包み、タッタッタッタッと走って来たが、此方二人の前まで来ると、ピタリとばかり立ち止まった。

前立打ったる冑を冠り、白糸縅の大鎧を着、薙刀を抱い込んだ馬上の武士――それこそ地丸左陣である。

「あいやお使者、木曽家のお使者、我らに何んの挨拶もなく何故お立ち退きなさるるな。不思議千万奇怪の至り、武士の作法にも悖ってござるぞ!」

大音声に呼ばわった。しかしその声には愛嬌があり且つ少しも威嚇的でない。