轻松读懂日语经典作品
ja-reading.com
轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。
ちけむりてんめいじん
血煙天明陣
国枝 史郎
「東京日日新聞」1933(昭和8)年11月7日~1934(昭和9)年4月20日
N2 · 挑战 · 新字新假名 · 191,184 字 · 379 页
……と、織江殿はどうなるか。残すも残さぬもありはしない。拙者の自由になろうというものだ」
「ソ、そりゃアそうですが。……」
「安心いたせ」と急に優しく、貝十郎は訓すようにいった。「わしを信じて織江殿を、残してお前は早く立ち去れ」
いわれて勘助は考え込んだが、
「一面は恐ろしい与力様だが、半面は優しい貝十郎様だ。……じゃア私は旦那を信じて、織江様をお預け致し……」
「それがいい、早く行け」
「織江様」と勘助はいった。「お聞きの通りでございますから……」
「勘助さん!」と織江は驚き、かつは不安を感じたらしく、「いいえ妾もあなたとご一緒に……」
「それが行けないのでございますよ」
「織江殿」と貝十郎は、慈しむような声でいった。「お屋敷へお帰りなされたならば、田沼殿の権力で、またどのようなご難儀になるやら。……むしろ拙者貝十郎の手に、安危託された方が安全でござる」
「織江様それじゃアあっしは行きます。……十二神の旦那ア、どうぞよろしく」
出て行く勘助の背後姿を眺め、
「お勘!」
と貝十郎は声を掛けた。
「へい」
「馬鹿者!」
「何んですって※(感嘆符疑問符、1-8-78)」
「お勘になって行けというのだ」