轻读日语

轻松读懂日语经典作品

ja-reading.com

轻松读懂日语,轻松阅读日语。在线阅读日语经典作品。支持在阅读过程中显示假名、查询生词、翻译句子。

くいどうらく

食道楽

村井 弦斎

冬の巻

N2 · 挑战 · 新字新假名 · 170,664 字 · 341 页

青空文庫

それならば御注文通り万人が万人直に行える心得を言って聞かせよう。それは外でもない。消化吸収の力は最も多く人の精神作用に支配せられるから人は何時でも我が心を愉快に持っていなければならんという事だ。何ほど腹が減っていても食事に対する時我が心に外の事の心配があっては食物の味も解らず、食べた物が消化しない。たとい心配でなくとも食物に対する時外の事を考ていてはならん、心を外へ向けるとそれだけ消化力を失う訳だ。よく昔の人は食物に頓着しないという事を英雄豪傑の外見にした。食物の味はどうであろうともそんな小さな事をかれこれ言わん。自分の頭にはモット大きな問題があるぞと言わぬばかりに食物問題を軽蔑したものだ。なるほどそれが英雄豪傑かもしれんが食物の味が解らんような英傑は自分の身を重んずる事を知らんから決して大事業を成し遂げられない。これは大きな間違いだろうと思うね。食物に対した時は外の事を考えないで食物の味を賞翫する事の出来る人がその心に綽々たる余裕もあるので真の英雄豪傑と言うべきだ。心配が胸に閊えて食物の味が解らんような豪傑は一向ありがたくない。今の人たちにも食物に無頓着な事を自慢する者があるけれども僕には一向訳が分らんよ。