Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
」
「じゃ、手をお出し。」
「どこ、みーさんの手?」
村川は、闇の中になまめかしい香いとやわらかなきぬずれの音を感じた。
「おおいたい! そんなにひどく握っちゃいやよ……放してよ。おおいたい!。だから、みーさん嫌い。」
「残念! 握ったついでに、うんとつねってやろうと思っていたのだ。」
「ひどい人……ねぇ、こちら。」
彼女はまっすぐに村川の方を向き直った。
「あなたとも握手しましょうね。お手お出しなさいね。」
村川はむせるような、若い女の香いが、むっと襲いかかるのを感じた。だが、彼は手を差し出すような心は、少しもなかった。むしろ、ちぢこまるように、身を退いていた。
白い手が、闇の中で彼の胸にすれすれに左右に動いた。
「どこ! どこ! 手をお出しなさいねぇ。」
村川は、頑固に手を膝につけていた。
「まあ。お出しにならないの。いいわ。」
そういったかと思うと、彼女は闇の中で手さぐりに、お膳をさけながら村川に近づいた。そして、両手で村川の右の手を握った。
「まあ! お行儀よく、膝の上に置いていらっしゃるのねぇ、さあ握手!」
そういって、なみ子は村川の握りしめている手を、ムリに開けながら、自分の右の手でしっかりと握った。