Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
四
」
今度は向うへ振向いた倭文子の後から肩へ手をやった。倭文子は身をかわしてそれをさけた。
「そんなに何がお嫌いなのですか。あなたがそんなに僕を乱暴者あつかいになさるのなら僕だって乱暴者になれますよ。」
倭文子は宮田の言葉が、耳に入らぬようにつつとドアの方へいそいだ。宮田は追いすがった。二人はそこでまたもつれ合った。そのとき倭文子はカチリと音がしたと思うと、部屋の中がパッと急に暗くなった。宮田が倭文子を押し止めながら、電灯のスイッチを押したのである。
闇の中で男性の強い両手が強い力で倭文子の両肩をつかんだ。
四
闇の中で、宮田の両手が倭文子の両肩にかかったとき、今まではおびえた小鳥のように、ただオドオドしていた倭文子の心に身を守る強い覚悟が爆発した。
「何をなさいますの。」
彼女の草の茎のようにかぼそい両手は剣のように冴え、防御のない宮田の胸を烈しく突いた。
「あっ!」
宮田が、不意を喰って、少したじろいた腕の下をくぐると、倭文子は矢のように階段をころび落ちるように、かけ下った。
玄関のドアを烈しい音を立ててあけると、戸外の闇へ走り入った。
宮田は、倭文子の必死の勢いに、ちょっと呆然としたが、彼女がどんなことをするかもしれぬと思うと、蒼くなった。