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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいにのせっぷん

第二の接吻

菊池 寛

Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme

Aozora Bunko

五

しかし、村川は美男に似ず、純真であった。そんないたずらな気は起らなかった。だが、彼は、すれすれに立っている倭文子を、この家に来て以来、初めて愛すべきものと思った。彼は今まで、倭文子を見落していた。それは、京子という月の、すぐ近くにあるために、常に光を奪われていた星だったのだ。

こうして、つくづく見ると、その人なつかしそうな眸、強い男性の支持なくしては、生きて行かれそうもないような、かよわい身体、一つの掌の中に入ってしまいそうな二つの頬。

「失礼しました。」

宗三の足音が、応接室で停滞しているらしいので、村川は倭文子のそばでささやいた。

「いいえ。」

「ちっとも知らなかったものですから。」

知っていながら、わざと飛込んだと思われやしないかと、村川は心配した。

「僕出ましょうかしら、ご迷惑じゃありませんか。」

「いいえ。」

小さい赤い唇が、かすかにつぶやく。村川は、一秒でも二秒でも、長くいたかった。宗三が二階へ上ってくれればいいと祈っていた。

五

宗三は、二階へ二足三足とんとんと上りかけたが、すぐ降りて来た。

「やっぱり下が怪しいな。」

応接間のドアを、烈しく開ける音がした。