Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
五
手紙らしいもの、ちっともないわ。」
京子は引出の内容を必要以上に、かき廻しながらいった。
「ねぇ。もうおよしになりませんか。あたし何だか恐うございますわ。」
倭文子はからだがかすかに、ふるえるように感じた。
五
「いいじゃないの。責任はわたしにあるのですもの。」
京子は、一番右の引出をまた無雑作にあけてしまった。そこには、万年筆とカルモチンの小箱が三つばかりころがっていた。村川が悶々として不眠の夜を過ごしていることなどは、少しも京子の神経にふれなかった。
「おかしいわ。こんなはずはないんだがねぇ。」
倭文子は、救われたように喜びながらいった。
「やっぱり、村川さんじゃございませんのよ。」
「いいえ。きっと村川さんよ。でも、こんな手紙は引出なんかには入れないのよ。わたし、きっと探し出すわ。わたし、名探偵よ。」
京子は、机から三四歩後へ身を退くと、部屋をじっと見廻した。
「ああわかった。」
そういって、左側の書棚にある大英百科全書を、一々さわってみた。でも、最新版の厚さ一寸にも足りない一冊一冊には、手紙をはさんであるような厚味は感ぜられなかった。
京子は、また部屋の中央へ帰って、部屋中をじいっと見渡した。