Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
五
白山下を、左へ折れ狭い道を、植物園に沿って徐行して行くと、そこに立っている電信柱の陰から、倭文子がちらと横顔を出した。
「ストップ!」村川は、あわてて叫んだ。
でも、自動車は惰力のために坂を二三間すべって止まった。
村川は、料金を払うと、後がえりして倭文子の立っている電信柱へ近づいた。
倭文子は、顔を真赤にして、パラソルの先で、地上に大きい図を描いていた。
茶がかった飛白の銘仙のそろいを着た華奢な身体に、処女らしい美しさが、みずみずしく香っていた。
五
村川が近づくと、倭文子は、あわててパラソルをひろげて、それで自分の上半身を覆ってしまった。
村川は、ローズ色のパラソルに話しかけた。
「お待ちになった?」
倭文子は、それに返事をしないでくつくつパラソルの中で笑いながら、先に立って坂を馳せ降りた。
「よく出られましたね。」
倭文子は、返事をしないで限りない恥しさを、笑うことでまぎらしていた。植物園の門を入ってから、彼女はやっと笑い止んだ。そして、パラソルを右の方へ倒して、やっと村川に顔を見せた。
「すみません。お呼び出しして。」
「いいえ。僕こそ、どんなにお会いしたかったかわからないのです。