Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
三
「いって悪いかしら、でも野村さんよりほかにはないでしょう。」
「そう! わたしも、そう思ったの。ところが、驚くじゃないの。この封筒ご覧なさいよ。」
京子は、懐から鼠色に鈴蘭の模様のある封筒を取り出した。その表には明かにMさまとかいてあった。
三
「Mさまってだれでしょう。」
倭文子は、ちょっと思いあたらなかった。
「まあ! あなた気がつかないの。」
京子は大きい眼をみはった。「だからあなたはお人好しよ……おほほ、ご免なさいね。」
「だって、わたしわからないわ。」
「わからないことないじゃないの。この家でMさまといえば、村川さんよりほかないじゃないの。」
倭文子は、カッとした。だが、狼狽はしなかった。彼女は、村川を信じていた。
「そんなことありませんわ。」
「まあ! なぜ。」
「でも村川さんが、まさかそんなことなさらないわ。」
「だから、あなたはお人好しだわ。それともあなた、村川さんのことよくご存じ?」
「いいえ。」
「じゃ、しないということがなぜ、おわかりになるの。」
「でも。」
京子は、急にまじめになった。
「あなた、何もご存じないのねぇ。わたし、じつはあなたの事心配していたのよ。