Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
六
「お待ちなさい!」
宮田は、必死な声をあげて追いすがった。そして海へ二間ぐらいのところで、やっと倭文子を捕えた。
「何をするのです。馬鹿な!」
宮田はあえぎながらいった。倭文子も全身に波うつように、苦しくあえぎながら、なお宮田を振りはなそうとした。
「僕も、こうなれば、どんな乱暴でもしてあなたをつれて帰ります。」
宮田はそういうと、倭文子の両手を一緒にしてつかみながら、岩の上をぐいぐいひっぱろうとした。
倭文子は、それを烈しく拒んだ、膝をすりむいたと見え、あらわに見える真白な脛に、血が一筋流れていた。
「強情ですなあ、あなたも。手が抜けても知りませんよ。」
宮田は、そういって、少しやぶれかぶれで力一杯倭文子の両手をひっぱった。
「あっ!」
倭文子が悲鳴をあげたときである。宮田の右の頬が、闇の中で、すさまじい音を立てて背後から打たれた。
「おい! 乱暴なことをするな!」
六
「なにっ!」
振り向いた宮田は、いきなり烈しい力で、突き飛ばされた。からだが宙に浮いたと思うと、足を岩角に取られて、仰向けにひっくり返った。
「倭文子さん!」
その男は、宮田の方は振り向きもしないで、宮田の手から自由になって起き上ろうとする倭文子を助け起した。