Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
七
「君は、倭文子さんに無礼なことをしたのだろう。」
村川の言葉からは、侮蔑と憤怒とが、火花のように散った。
「ウソをつけ! 失礼なことをいうな、貴様こそ不良少年のくせに。」
「なに!」
「何だ!」
もう、言葉の戦いは終っていた。どちらから飛びかかるとなく、二人はつかみ合った。
肉体と肉体とが、打ち合う無気味な音が、波のひびきよりも高く聞えた。倭文子は、恐ろしさに目を覆った。村川は柔道の心得があるので、相手の拳をさけながら、敵の腰に手をやった。だが、それで相手の身体を持ち上げようとすると、自分の足が岩のわれ目に入ったと見え、腰が砕けて、敵の身体をいだいたまま、後へ転倒した。二人は上になり下になり、あらゆる方法でお互に、傷つけ合った。
宮田も、しばしば村川の逆を取ろうとして、お互に敵が、強敵であるのを知ると、夢中になって戦った。
倭文子は、ふと目をあけて見ると二人は組み合ったまま、岩の傾斜をすべり、崖端近くへころげて行った。そこで、村川は宮田に組みしかれていた。そこから海へはもう一間となかった。
「およしなさいませ! およしなさいませ!」
倭文子は悲鳴をあげながら、近づいた。