Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
九
」
「別に度胸をきめるほどの事でもないけれども……」
「そう、そう、その調子その調子。ね、もうそんなこといいっこなし、仲よくしましょうね。」
そういって、彼女は自分の両手の中に村川の左手を入れて、愛撫した。
九
村川となみ子とをのせた自動車は、馬場先門から、宮城前の広場へ入り、あの遮る物もない大道を、冷たい夜風を巻き起しながら、疾駆した。
二人きりになってしまうと、なみ子は急にしずかになってしまった。彼女は、今までの自分のはしたなさに、すっかりてれてしまったように、いつか村川の手から、自分の両手を離していた。
先刻のお客をお客とも思わないような、おきゃんな彼女の代りに、年は年だけにあどけない少女らしく、だまりこんでいた。車内の薄ぐらい光の中に、彼女の白い顔がハッキリと浮び、赤いくちびるがいかにも肉感的な色を持っていた。村川は、彼女の姿から、あるなやましさを感じるので、なるべく彼女の顔を見ないようにつとめていた。
村川の感覚だけは、なみ子になやまされていたが、彼の心は、むろん倭文子を中心にしていろいろな憂慮や不安で切り刻まれていた。宮田のことを聞いてから、その憂慮や不安が一層深刻になった。