Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいにのせっぷん

第二の接吻

菊池 寛

Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme

Aozora Bunko

九

「お泊りなんかならないわねぇ、わたし達が泊っている上に、村川さんまでご厄介になったら、すまないわ。」

「そんな馬鹿なことがあるものですか。下にだって、部屋はたくさんあるし。」

「お部屋がたくさんあるなんて、そんなことはおっしゃらないでもよく存じています。」

「おやおや、すぐ皮肉ですね。京子さんに会っちゃ敵わない。」

「村川さん。お帰りになる?」京子は、村川の顔を見上げていった。

「むろん、帰ります。」

村川の声は、さすがに険しかった。

「それがいいわ。いい子だから、お帰りなさいね。」

村川は、つい拳に力が入ったのを、あわててゆるめた。

九

村川は、だまって帰るほかはないと思った。京子を面責し、彼女を罵倒することも、やってやれないことはなかった。だが、それはあまりに下等で下品だった。そして、すべてを破壊しつくし、倭文子にどんな迷惑を被せるか、わからなかった。胸にたぎり立つ怒りを抑え、彼はしずかに立ち上る口実を考えていた。

「村川君は、何か用事があるのじゃありませんか。」

今井がいった。

「用事なんかないことよ。」

京子は、傍からまぜ返した。

「本当に用事があるのなら、僕達は遠慮してもいいのですよ。