Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
二つの縁談
一
自分の軽率な間違いから、倭文子と自分との成立ったばかりの恋愛を、恐ろしい羽目に投げ入れたことを考えると、村川は悔恨と絶望との苦しみに、胸が張りさけるように痛んだ。
だが、どんな艱難でも来たれ、障害の上に障害は重なれよ、決して決して倭文子を放すものかと彼は心のうちで、幾度も誓った。
二つの縁談
一
「どうにかして倭文子に会いたい。」
村川は、一日中会社の事務をとりながら、考えていた。昨夜、ほとんど眠られなかったので頭がカサカサに乾いて、しびれるような疲労が全身に感ぜられた。
倭文子が動揺さえしてくれなければ結局どうにかなるのだ。倭文子を失いたくないから、すべてが恐ろしいのだ。村川は結局そこへ考えついた。だが、倭文子と会うことは、今の場合危険な冒険に違いなかった。彼女の傍には、恐ろしい番兵が、くっついているのだ。
世の中で、一番会いたいものと一番会いたくないものが、一緒にいるのだ。
五時の時計が鳴るのを聞いてから、村川は会社を出た。が、足がいつものように、大手町の停留場に向かないのだ。
小石川の家へ帰る勇気が、どうしても出て来ないのだ。帰りたいのは帰りたいのだが、書斎へ入ると、すぐ京子が飛込んで来そうなので、どうしても足が向かないのだ。