Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいにのせっぷん

第二の接吻

菊池 寛

Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme

Aozora Bunko

二

「いつかの指輪なおしてもらうの。」

「一人で。」

「いけない?」

「倭文子さんと、いらっしゃいよ。」

「倭文子さんなんかいや!」

「じゃ、暮れない中に帰っていらっしゃい。」

京子は、自分の羽織と着物と帯との一番よい配合を考えて、盛装した。

二

京子は、白山から電車に乗った。出かける前、電話で知らせようかと思ったが、不意に村川を驚かしたい気持もあったので、電話はかけないで家を出た。

彼女は、盛装すればするほど、美しくなる顔だった。オールバックにも七三にも飽きた彼女は、真中から二つに割っていた。鼻が高く、目が大きくクッキリと白い顔には、古代紫の霞模様の地紋のあるシャルムーズ縮緬の羽織が、ぴったりとからだについていた。

乗客の視線が、自分の身体にふりそそぐのを感じながら、彼女は村川と一緒に、銀座の宵を散歩する幸福を、いろいろに想像していた。

だが、京子が大手町で降り、今井商事株式会社のあるビルディングに入り、そのエレベーターで胸を躍らせながら吊り上げられていたとき、すぐそれと並んだもう一つのエレベーターで、村川が倭文子と会うために、胸を躍らせながら吊り下げられていたのを、夢にも知らなかった。