Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいにのせっぷん

第二の接吻

菊池 寛

Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme

Aozora Bunko

六

これから、ときどきこうしてお目にかかりたいものですね。」

京子は、だまっていた。

「京子さん。これで僕はまだ三十二歳です。あなたとは十一違いです。もっとも子供は一人ありますがね。女の子だし、乳母をつけておけば、結婚生活の邪魔には少しもなりません。僕は、頭のいい、教養のある、音楽や美術のわかる、それで美しい……」

「それじゃ、わたしなど、とても資格はございませんね。」

「いや、どういたしまして、僕は実はその……」

今井は、京子の右の手を、彼の左の手でそっと握った。

京子は、その手をパッと払いのけた。

「今井さん、あたし、芸妓じゃございませんのよ。」

「なるほど。これは恐れ入りました。」

「ああ、運転手さん、そこの角で止めて下さいな。わたくしここから歩きますから。交番で断ってもらうのは面倒だから。」

自動車は、白山下で止った。

「今井さん。どうもありがとう。」

「いや、これは恐れ入りました。」

六

京子は、家に帰ると、すぐ母の居間へ行った。母は、食後のしばらくを、倭文子とむつまじそうに話していた。

母は、驚いたといった風に、京子の顔を見上げた。

「まあ! どうしたの。こんなに遅く。