Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
四
四
「いいわ。さんざんわたしをふみにじっておきなさい! わたしが、これで泣き寝入りになると思うの、わたし、きっときっと、この仕返ししてあげるわ。」
京子は、そういいながら、羽織の袖を、幾条にも引きさいてしまった。
「ああそう。わたし訊きたいことがあるわ。わたしをどなたに間違えたのかハッキリとおっしゃって下さい!」
村川は、両手で顔を覆ったままだまっていた。
「今おかくしになったってすぐわかることじゃないの。」
京子のいう通り、かくしおおせる事ではなかった。でも、村川の口から、どうしてもいえなかった。
「おっしゃれないの? 卑怯な方! じゃ、わたし当てて見ましょうか。倭文子さんでしょう?」
覚悟をしていた発覚ではあるけれども、村川はからだがふるえた。
「そうでしょう! そうでしょう。」
村川は、うなずくことも出来なかった。
「そうでしょう。やっぱり倭文子さんでしょう。あなたが、ご返事がなければ、ここへ倭文子さんを呼びましょうか。」
京子は、立って呼鈴を押しそうにした。
「そうです、倭文子さんです。」
村川は、あわてていった。
「そう!」
京子は、瞑目した。青い少しも血色のない顔だった。