Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
三
「まあ! 冷えていらっしゃいますのねぇ。」
村川も、急にからだがガタガタ震え出した。
「僕だけじゃありませんよ。あなただって、冷え切っているのでしょう。」
「あの、とにかく別荘へいらっしゃいません?」
「大丈夫ですか。」
「大丈夫ですわ。別荘番のいる家は、別になっていますの。」
「そうしましょうか。これじゃ、宿屋には帰れないし。」
「まあ、宿屋に泊っていらっしゃいますの。いつ、いらっしゃいまして。」
「昨日の晩、僕が別荘へ訪ねて行ったのを話しませんでしたか。」
「いいえ!」
「ちぇっ! 馬鹿にしていやがる!」
「京子さんとお会いになったの?」
「そうですよ。あの人のやり方は、滅茶苦茶ですね。人の事などは何も考えないんだから、ひどい! 全くかなわない!」
「わたし、こわいわ。京子さん、とても恐いわ。だって、どうして、わたしに意地のわるいことなさるのでしょう。」
村川は、さすがに答えられなかった。最初の接吻をあやまったことだけは、こうなっても話したくなかった。
村川は、格闘した場所へ引き返して、靴や帽子をやっとのことで探し出した。二人は、石堤を越えて道路へ出た。倭文子は、また恐ろしそうに海を見た。