Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいにのせっぷん

第二の接吻

菊池 寛

Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme

Aozora Bunko

六

嵐のような激しい音に、村川も倭文子も、気味のわるい圧迫を感ぜずにはいられなかった。

六

「わたくし、おやついただいて来るの。」

利口な美智子は、一座の空気が険悪なのを感ずると、そんな口実をうまく考えて、日本館の方へ走り去った。

「僕も。」

宗三も、すぐ妹の後を追った。

村川は、京子のすね方が、馬鹿馬鹿しかった。一緒にカーテンの後にかくれていたのが、どうしたというのだろう。だが、倭文子が、スッカリしょげてしまって、黙りこんでいるのを見ると、冗談ではない気がした。

「どうしたのです。そんなに、しょげなくってもいいじゃありませんか。何も悪いことをしたのじゃあるまいし。」

倭文子はだまっていた。

「京子さんは、怒りすぎますよ。」

村川は、そうもいってみた。だが、倭文子はなおだまっていた。ふと気がつくと、彼女の黒い眸を覆う長いまつげが、いっぱい濡れていた。村川は、軽いショックを受けて、自分もだまってしまうほかはなかった。

その涙が、倭文子の現在の生活を、彼にすっかり説明してくれた。

伯父の家に寄食している倭文子は、わがままで勝気ないとこの掌中に、生きているといってもいいのだった。