Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
七
「村川君、そんな奴と握手したら駄目だよ。」
「いいわねぇ。大きなお世話。明るくなるまでこうしていましょうね。」
「馬鹿! 村川君、うんとつねってやりたまえ……」
「誰が……あなたのような邪慳な方とは違いますわねぇ。」
そういいながら、彼女は村川の手を強く握りしめた。
なやましい感覚が、村川の全身を襲った。だが、それは皮一重の奥へは、入って来なかった。彼の心の中には、先刻からの焦燥や苦悶が、ハッキリと形が崩れずにつづいている。ただ、彼の感覚だけが、このはげしい刺激に、ともすれば揺り動かされた。だが、彼は右の手に、少しの力を入れることもしなかった。ただ、彼女のなすままにまかせていた。
「まあ。あなたおとなしい方ね。何とか、おっしゃいよ。怒っていらっしゃる?」
村川は、首を振ったが、闇の中なので、彼女には見えなかった。
「わたしがあまり、図々しいので驚いていらっしゃるの。」
「そうさ。お前のようなおてんばにあっちゃ、誰だって驚くさ。一つ、うんとつねってやりたまえ、村川君。」
七
電灯が、点いて明るくなってからも、なみ子は村川の傍を、容易にはなれようとはしなかった。
「お宅の電話番号教えて下さいな。