Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
七
「怒るべきことでないことを、怒っているのですからね。でも、僕が飛込んだのが悪かったのです。でも、こんなことで怒るなんて、馬鹿馬鹿しいですね。」
村川は、笑いごとにしてしまおうとしても、倭文子は、どうしても笑わなかった。
ヤケに叩き鳴らしていた京子のピアノの音は、ふっつり断たれてしまった。断たれてしまうと、倭文子は更に、不安になったかのように、首をうなだれた。
「僕が、ちょっと京子さんに会ってみましょう。怒っているわけは、ありませんよ。」
そういって、村川は気軽に倭文子の傍から立ち上ろうとした。
「いいんでございますの。」
倭文子は、とりすがるように止めた。
「でも、こんなことで、こだわっているのは、いやですから。」
そういって、村川は倭文子の傍を離れて、京子の部屋のドアの前に立って、ノックした。
七
村川は、京子の部屋のドアを、かなり強く叩いた。だが、中からはぷつっとも音がしなかった。
「京子さん。僕です。入ってはいけませんか。」
まだ、何とも返事をしない。
「京子さん。入ってはいけませんか。」
「いいわ。」
やっと、かすかな声で答えた。
村川は、ドアを開けた。