Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
芽ぐみ行く愛
一
」
「困ったな!」
村川は、ほんとうに困って立ち上った。
芽ぐみ行く愛
一
村川は、カーテンの陰で、危く倭文子と接吻しようとする夢を見て、目がさめた。かくれんぼの日以来、倭文子のことが絶えず意識の底に、こびりついていて、夢にまで見るのであろう。そのくせ、あの日以来、廊下で二三度行き会っただけである。あるいは、彼女の方で、自分を避けているのではないかと思った。
彼は、顔を洗って帰ると、寝室から、書斎の方へ移った。すると、書斎の机の上に、忘れな草のフランス刺繍をした肱附が置いてあった。白と茶と緑との配合が美しくあざやかであった。
村川は年若い処女の好意のシンボルそのものといったようなその肱附を、ちょっとときめく心で取上げた。すると、その一端に真紅の糸で、MSとローマ字を小さく組合せて、入れてある。彼は村川貞男といった。自分の姓名の頭字を組合せて入れてくれたものだと思えば、それでいいのであるが、それでは何となく物足りなかった。そのSを倭文子の頭字にしたかった。倭文子が、自分に対する贈物に、彼女の名の頭字と、自分の姓の頭字とを、組合せたものと考えたかった。
「何というナイスプレゼントだろう。