Japanische Klassiker mit Furigana
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だいにのせっぷん
第二の接吻
菊池 寛
Lesen Sie 第二の接吻 (だいにのせっぷん) von 菊池 寛 (きくちかん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 121.960 Zeichen · 247 Bildschirme
五
」
倭文子は、宮田と二間もはなれて長く使わないらしいストーブの横にある安楽椅子に腰をかけた。
「一体京子さんは、何の買物に行ったのでしょうかな。」
「何でございますかしら。」
倭文子は、顔も十分にあげないで、低く小さい、中途で消えてなくなりそうな声で答えた。
五
七時がなると別荘番の女房が上って来た。
「どうしたのでございましょうか。まだお帰りになりませんね。ご飯はお二人だけでも先へ差しあげましょうか。」
倭文子は知らぬ男と、差し向いでご飯をたべることは考えてみるだけでも、胸につかえた。
「わたし、京子さんのお帰りになるまで、お待ちしますわ。」
「そうでございますか。あなた様は?」
女房は宮田に聞いた。
「僕もまだたべたくありません。ご一緒でけっこうです。」
「じゃ、しばらくお待ちしましょうか。もうおっつけお帰りになることでございましょう。」
そう言って女房は下へ降りて行った。
また、しらじらと時間が流れた。倭文子は、だまっていつまでもうつむいていた。寝室へ行ってしまおうかとも思ったが、それではあまりに相手に悪いと思うので、倭文子は身体がしめつけられるような、きまりのわるさ、窮屈さをこらえていた。